ある職人との出会い③

「目の前に困っている人がいて、自分に出来ることがあれば、手を差し伸べる」、それが女性なら なおさら。が彼のモットー。

他の現場でのあった出来事を、聞いていると、彼はいつも自分の中にあるそれに従ってきたようだ。

齢60を過ぎ、身体にこたえてしまうような仕事は断り、暑過ぎる夏はしっかりと休み、最近では、自らの気の向く仕事を選んでやっているそう。

夏じゃなくて良かった〜…
と、つくづく思った。
夏なら彼に出会えなかったかもしれない。
そんなことを思いながら、お互いのスケジュールを確認しながら一緒に壁塗りができる数少ない日を貴重に過ごした。

僕は彼の仕事っぷりをよく観察した。

壁塗りの仕方…というより印象的なのは
彼の身の回りの整理整頓だ。

現場はコンクリートの基礎に石膏ボードがあるだけだし、扉もついていないため外からの砂埃や土、泥が入った来てしまうし、まあ、汚い。漆喰も飛び散るし。

彼の身の回りの
道具や材料、出るゴミの処理、掃除道具などいつも綺麗に整っている。
使い終えたものや、今後また使うもの、どこにしまったかは彼にはすぐにわかる。

それが見ていて、とても、好印象だった。

一キレイな仕事をする。一

壁塗りがキレイか?はプロじゃないしわからないけど、
汚い現場なりにその他がとても整っている。

それは自分の仕事の効率、質、パフォーマンスをより良くするためだと僕は感じた。
整ったキレイな状態を保つことで
最終的には自分の作品の良し悪しに影響が出る。
そんなことを感じながら共感、感心していた。
古い定食屋なんかで、古いトイレが綺麗に掃除されているのはとても好感が持てる。
最新のウォシュレット便座なんて無くても。

気持ちの良いキレイな仕事をするために、身の回りの整理整頓を怠らない人だった。

今、自分でサロンを開業して、その事が頭にいつも
浮かんでいるのし、自分もそんな仕事がしたいので、彼を姿を見習いながらいつも過ごしている。



salon Folk

一私らしさを見つける場所一 since 2019

0コメント

  • 1000 / 1000